抄録
声帯疾患に対する音声外科的手術として直達喉頭鏡を用いた喉頭顕微鏡下手術が広く行われている. しかし, 本手術法は全身麻酔下に施行されることが多く, 高齢者や他の合併症により全身麻酔を行うのに問題がある場合や, 頸椎周囲の疾患および開口障害などで直達喉頭鏡の挿入が困難な場合もある. このような症例に対し, 新たに改良試作された町田製作所製の固定式処置用軟性喉頭ファイバースコープをVTRシステムと組み合わせて音声外科的手術を行つた. その概要を紹介するとともに利点や問題点などについて検討した.