耳鼻と臨床
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若年性一側聾の残聴について
立木 孝後藤 昌代村井 盛子
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キーワード: 若年性一側聾, 残聴, 一側聾
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1991 年 37 巻 2 号 p. 171-175

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抄録
いわゆる若年性一側聾の聴力は, 通常JIS規格のオージオメーターでは全周波数スケールアウトを示すが, それが実際に全聾であるのかまたは幾許かの残聴があるのかを調べる目的で, 28例についてRionAA71型オージオメーターを用いて検査を行つた. 検査に際しては対側を60, 70, 80dBの帯域雑音で遮蔽して3個のオージオグラムを得, その成績を比較検討した.
その結果多くの例では100dBから130dBに至る間で何らかの反応を示したが, その反応の内容について質すと, その多くは振動感を感じているものであり, またそのレベルはいわゆる触覚閾に相当するものであることなどから, その反応は聴覚ではないと考えられ, 若年性一側聾は本来完全聾であろうと結論した.
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