抄録
我々は扁桃炎, 咽喉頭炎, 化膿性唾液腺炎, 感染性口内炎に対するfleroxacinの有効性と安全性を全国31施設, 94例において検討した.
扁桃炎患者72例, 咽喉頭炎患者16例, 化膿性唾液腺炎患者4例, 感染性口内炎患者2例に本剤を原則として1日200~300mg7日間投与した. 臨床効果は扁桃炎88.9%, 咽喉頭炎100.0%, 化膿性唾液腺炎75.0%, 感染性口内炎100.0%の有効率であつた. 細菌学的効果は扁桃炎93.7%, 咽喉頭炎91.7%, 化膿性唾液腺炎100.0%, 感染性口内炎100.0%の消失率であつた. 副作用は咽喉頭炎2例にみられた. 1例は嘔気・腹痛, もう1例は浮動感で, 投薬中止により消失した. 臨床検査値異常は扁桃炎1例, 化膿性唾液腺炎1例に共に軽度の肝機能検査値異常が認められた.
以上の結果からfleroxacinは扁桃炎, 咽喉頭炎などに対して, 1日1回200~300mg投与で臨床的に有用性の高い薬剤であるといえる.