耳鼻と臨床
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副鼻腔炎に対するCefmenoxime (CMX) 鼻科用剤のネブライザー療法による薬効評価
馬場 駿吉小林 武弘海野 徳二熊井 恵美坂本 伸雄高坂 知節鈴木 守桜田 隆二佐々木 豊遠藤 里美河村 正三市川 銀一郎渡辺 洋板橋 隆嗣小松崎 篤野村 俊之石井 哲夫山本 信和三宅 浩郷新川 敦木村 栄成伊藤 晴夫東内 朗横田 明伊藤 弘美梅田 敬子加藤 眞二北条 郷明斉藤 等藤枝 重治森 繁人坂倉 康夫間島 雄一斎田 哲浜口 富美坂倉 健二久保 将彦村上 泰竹中 洋出島 健司大森 淳子松永 亨荻野 仁白石 孝之石田 稔伊東 眞人佐藤 信次佐々木 良二関谷 透猪熊 哲彦兼定 啓子平田 哲康茂木 五郎川内 秀之堀 文彦友永 和宏加藤 博文大山 勝島 哲也内薗 明裕河野 とも子松永 信也矢野 博美清田 隆二鰺坂 孝二出口 浩一中島 光好
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1991 年 37 巻 4 号 p. 851-880

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抄録
副鼻腔炎のネブライザー療法による1%CMX鼻科用剤の有効性, 安全性および用量について客観的に評価するため, Well Controlled Studyによる比較試験を実施した.
1. 臨床効果は, 担当医判定による有効以上の有効率で20mg群72.7%, 40mg群84.2%と40mg群の方が優れる傾向を示したが, 委員会判定では20mg群72.7%, 40 mg群64.5%と両群間に有意な差は認められなかつた.
2. X線所見による効果判定は, 主治医判定では20mg群55.2%, 40mg群74.2%と40mg群の方が優れる傾向を示したが, 委員会判定においては20mg群64.2%, 40mg群74.2%と両群に有意な差は認められなかつた.
3. 細菌学的効果は20mg群56.6%, 40mg群75.5%と40mg群の方が優れる傾向を示した.
5. 副作用は20mg群において1例見られたが, 投与中止により消失し, 特に重篤なものではなかつた.
以上の成績は, 従来の抗菌化学療法剤, 消炎酵素剤等の全身投与による治療効果に比べ, 同等あるいはそれ以上の成績であり, CMX鼻科用剤はネブライザー療法においても優れた有用性のある局所療法剤であると考えられた.
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