耳鼻と臨床
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耳鼻咽喉科領域感染症に対するSparfloxacinの臨床評価
とくに扁桃炎, 咽喉頭炎について
馬場 駿吉河村 正三市川 銀一郎和田 昌士渡辺 洋板橋 隆嗣三宅 浩郷新川 敦小川 裕木村 栄成小林 武弘宮本 直哉丸尾 猛伊藤 晴夫東内 朗伊佐治 広子島田 純一郎永田 総一郎稲垣 光昭松永 亨荻野 仁白石 孝之津田 守後藤 和彦石田 稔尾崎 正義浅井 英世片岡 隆嗣原田 康夫平川 勝洋世良 公志柿 音高関谷 透山下 裕司兼定 啓子平田 哲康増満 洋一岡崎 英紀大山 勝島 哲也内薗 明裕鯵坂 孝二清田 隆二岩淵 康雄深水 浩三出口 浩一
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1991 年 37 巻 5 号 p. 949-960

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抄録

Sparfloxacinの扁桃炎などに対する有効性, 安全性および有用性を検討した. SPFX は1日量100~300mgを1日1~2回に分割経口投与した.
1. 主治医判定による臨床効果は扁桃炎で97.9% (47/48), 咽喉頭炎で92.3% (12/ 13), 外耳炎で100% (14/14), 急性化膿性唾液腺炎で100% (3/3), 耳痩孔化膿症で100% (1/1) の有効率であった.
2. 統一判定による扁桃炎の臨床効果は83.3% (40/48) の有効率であつた.
3. 細菌学的効果はグラム陽性菌で97.5% (39/40), グラム陰性菌で100% (16/16), 嫌気性菌で100% (5/5) の消失率であつた.
4. 副作用は4.6% (4/87) に, 臨床検査値異常は1例のみに認められた.
5. 有用率は91.4% (74/81) であった. 以上の成績より, Sparfloxacinは1日量100~200mgの1~2回分割投与により, 扁桃炎などの耳鼻咽喉科感染症の治療剤として高い有用性が期待できる薬剤と考えられる.

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