1991 年 37 巻 5 号 p. 949-960
Sparfloxacinの扁桃炎などに対する有効性, 安全性および有用性を検討した. SPFX は1日量100~300mgを1日1~2回に分割経口投与した.
1. 主治医判定による臨床効果は扁桃炎で97.9% (47/48), 咽喉頭炎で92.3% (12/ 13), 外耳炎で100% (14/14), 急性化膿性唾液腺炎で100% (3/3), 耳痩孔化膿症で100% (1/1) の有効率であった.
2. 統一判定による扁桃炎の臨床効果は83.3% (40/48) の有効率であつた.
3. 細菌学的効果はグラム陽性菌で97.5% (39/40), グラム陰性菌で100% (16/16), 嫌気性菌で100% (5/5) の消失率であつた.
4. 副作用は4.6% (4/87) に, 臨床検査値異常は1例のみに認められた.
5. 有用率は91.4% (74/81) であった. 以上の成績より, Sparfloxacinは1日量100~200mgの1~2回分割投与により, 扁桃炎などの耳鼻咽喉科感染症の治療剤として高い有用性が期待できる薬剤と考えられる.