耳鼻と臨床
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鼻粘膜血流量と鼻腔通気抵抗測定に関する一考察
谷本 秀司奥田 稔石田 祐子渡瀬 隆雄
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1991 年 37 巻 5Supplement5 号 p. 1180-1186

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抄録

1. 水素ガス・クリアランス法による鼻粘膜血流量と鼻腔通気抵抗を測定し, 血流と鼻粘膜腫張の反応性の違いを比較検討した.
2. α1-stimulantにより, 鼻粘膜血流量と鼻腔通気抵抗は共に減少し, β-stimulantおよびcholine agonistでは, 2つの血行動態に変化がなかつた.
3. histamineを鼻粘膜に投与すると, 非くしやみ時には鼻粘膜血流量は減少するが, くしやみ発作時には鼻粘膜血流量は増加した.
4. 温熱負荷では鼻粘膜血流量の増加, 鼻腔通気抵抗の減少があり, 寒冷負荷では鼻粘膜血流量の減少, 鼻腔通気抵抗の上昇があつた.
5. 鼻粘膜表層の血流と鼻粘膜腫張において, 反応性の違いがあつた.
6. 水素ガス・クリアランス法による鼻粘膜血流量では鼻腔通気抵抗を, 鼻腔通気抵抗では鼻粘膜血流量を測定できず, 推論もできない.

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