九州地区24施設の耳鼻咽喉科において鼻アレルギー患者96名, 血管運動性鼻炎患者20 名計116名を対象に共同プロトコールによるフルブロンの臨床試験を行つた. 対象患者はフルブロン単独投与例とフルブロンに抗アレルギー剤併用投与例とした. 全般改善度において2週後の改善率は“やや有効”以上の効果を含めて, 単独群80.4%, 併用群81.3% で両者間に有意差は認めなかつた. 臨床症状の推移については, すべての群において症状の有意な改善が認められた (p<0.05). 副作用は単独群で2例, 併用群で2例の計4例にみられたが, いずれの副作用症状も軽度なものであつた. 有用度においては, 単独群 76.7%, 併用群78.6%で両者間に有意差は認められなかつた. 今回の結果より, フルブロンは単独投与により鼻アレルギー, 血管運動性鼻炎の症状を改善し, また, 抗アレルギー剤と併用した場合でも臨床上問題となる副作用のみられないことが判明した.