耳鼻と臨床
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Flutropium bromideの鼻過敏症に対する薬効評価
-九州地区24施設における共同プロトコールによる抗アレルギー剤併用群との比較試験成績-
大山 勝石川 哮茂木 五郎上村 卓也森満 保宗 信夫家守 千鶴子本多 一至山本 智矢伊藤 正博岩元 正広川口 博鳥谷 陽一増山 敬祐鮫島 靖浩谷 栄一郎定永 恭明福島 正人有島 誠一杉 宣宏神崎 順徳茶園 篤男渡辺 哲生金田 規嗣植山 茂宏鈴木 正志友永 和宏永井 みどり鳥原 康治河野 浩万狩野 季代島 哲也小川 和昭徳重 栄一郎今給黎 泰二郎飯田 富美子廣田 里香子宮之原 郁代深水 浩三松崎 勉松山 博文今村 洋子
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1992 年 38 巻 2 号 p. 135-163

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抄録

九州地区24施設の耳鼻咽喉科において鼻アレルギー患者96名, 血管運動性鼻炎患者20 名計116名を対象に共同プロトコールによるフルブロンの臨床試験を行つた. 対象患者はフルブロン単独投与例とフルブロンに抗アレルギー剤併用投与例とした. 全般改善度において2週後の改善率は“やや有効”以上の効果を含めて, 単独群80.4%, 併用群81.3% で両者間に有意差は認めなかつた. 臨床症状の推移については, すべての群において症状の有意な改善が認められた (p<0.05). 副作用は単独群で2例, 併用群で2例の計4例にみられたが, いずれの副作用症状も軽度なものであつた. 有用度においては, 単独群 76.7%, 併用群78.6%で両者間に有意差は認められなかつた. 今回の結果より, フルブロンは単独投与により鼻アレルギー, 血管運動性鼻炎の症状を改善し, また, 抗アレルギー剤と併用した場合でも臨床上問題となる副作用のみられないことが判明した.

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© 耳鼻と臨床会
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