耳鼻と臨床
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めまいを主訴とした多発性骨髄腫の1例
伊牟田 美晴井手 稔
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1992 年 38 巻 5 号 p. 592-596

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抄録
多発性骨髄腫で, 過粘稠症候群をきたしたために, 回転性めまいと難聴をきたしたまれな症例を経験した. 過粘稠症候群は, 通常マクログロブリン血症で多くみられ, 本症例のようにIgA型の多発性骨髄腫ではまれである.
当科初診時は, 左方向への水平回旋性の眼振を認めたため, メニエール病を疑い入院加療したが, 1カ月以上めまいが持続し, 耳症状の他に, 眼底出血, 貧血, 多発性脳梗塞, およびDICも合併した. 血液所見の改善によつて, めまいの軽快と聴力の変動がみられた.
メルファラン, サイクロフォスファマイド, プレドニゾロンによる化学療法を行い, 血液所見が改善するに伴い, めまいの軽快と聴力の変動がみられた.
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