耳鼻と臨床
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塩化リゾチーム治療に抵抗した咽喉頭異常感症女性患者に対するメサルモン®-F錠の効果
岩田 重信中西 泰夫山際 幹和
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1993 年 39 巻 2 号 p. 170-180

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抄録
塩化リゾチームの効果が不十分であつた咽喉頭異常感症女性患者37名に対してメサルモン®-F錠 (3錠/日) を2~4週間投与し, 以下の成績を得た.
1) 咽喉頭異常感症状の全般改善度は, 著明27%, 中等度30%, 軽度16%であり, とくに, つまつた感じ, つばがひつかかる感じ, 乾燥感は推計学的に有意に改善した. 随伴症状の全般改善度は, 著明21%, 中等度18%, 軽度9%で, とくに, 倦怠感, 頭痛・頭重感, 肩こりに対する高い効果が推計学的にも示された. 総合有用度は, 極めて有用32%, 有用32%, やや有用14%であつた.
2) 副作用と思われる軽度の口渇が1例 (3%) でみられたが, 投薬続行中に消失した. 3) 項目別に咽喉頭異常感に対する効果をみると, CMI深町分類で神経症的傾向が低い例, 30歳代以外の例, 月経が順または無い例で高い効果が得られた.
以上より, メサルモン-F錠は抗炎症剤の効果の足らない点を補うことが判明した.
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