耳鼻と臨床
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第9回西日本音声外科研究会: ポリープ様声帯の成因に関する臨床的考察
溝尻 源太郎柴 裕子野崎 智嗣星野 鉄雄山田 康荘
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1993 年 39 巻 2Supplement1 号 p. 280-285

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抄録
66例のポリープ様声帯手術施行例と, 喉頭癌に関連した声帯浮腫の臨床的観察を行つた. その結果, 1. ポリープ様声帯は40歳以上の喫煙者が大多数を占め, 男女差はなく, 大声をだす職場が多い. 病理組織学的には上皮の肥厚, dysplasiaが, 上皮下では浮腫, 細胞浸潤, 血管拡張, 結合織増生などが多く見られた. 2. 喉頭癌放射線治療後に生じた浮腫では, 治癒機転が働いている. 3. ポリープ様声帯症例では, 治癒機転が障害されている. 4. 声帯の局所的循環障害が悪循環を形成し, ポリープ様声帯が発症すると考えた.
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