抄録
ウサギの一側内リンパ嚢を閉塞した後の前庭機能の変化を調べ, 卵形嚢斑と半規管膨大部稜の形態学的変化を透過電顕で観察した.
1 18例中1例に術側への頭位偏筒が認められた.
2 18例中7例に術側の温度反応の低下が認められた.
3卵形嚢斑では, 18例中14例に有毛細胞, 支持細胞の空胞化, ミトコンドリアの膨化, 崩壊が認められた。
4 半規管膨大部稜では, 18例中9例に有毛細胞, 支持細胞の空胞化, ミトコンドリアの膨化, 崩壊が認められた.
5半規管膨大部稜の組織学的異常を認めた例は, 温度反応の低下を認める頻度が有意に高かつた.
6内リンパ水腫をきたした例は, 前庭の組織学的異常を示す頻度が有意に高かつた.