耳鼻と臨床
Online ISSN : 2185-1034
Print ISSN : 0447-7227
ISSN-L : 0447-7227
老年者における青年期の運動競技経験とその後の運動習慣による起立耐性の促進
稲村 欣作横山 義昭中野 美恵子河合 学間野 忠明岩瀬 敏
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 39 巻 5Supplement2 号 p. 792-798

詳細
抄録
老年者における思春期青年期のスポーツ競技生活の有無とその後の運動実施継続の有無によつて生ずる直立保持機構の差異を, 重心動揺測定による平衡機能検査と能動的および準受動的循環機能起立検査を使用して検討した. その結果, 高運動実施群は平衡機能の内でも特に筋制御において低運動実施群より優れ, また, 弾性のある血管を持つとともに交感神経系の反応性も高く, より若い体を保持していることが明らかになつた. このことから, 思春期青年期においての運動による体力の増強と生涯を通じての継続的かつ適度な運動があいまつて, ヒトの基本的な機能である立つ能力 (直立能力) の老化防止に有効なことが示唆された.
著者関連情報
© 耳鼻と臨床会
前の記事 次の記事
feedback
Top