耳鼻と臨床
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正常者喉頭の回転と傾斜
CTによる研究
檜垣 雄一郎
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キーワード: 喉頭, 形態, 甲状軟骨, 輪状軟骨, CT
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1994 年 40 巻 2 号 p. 134-147

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抄録

右利きの正常者61名を, CTを用いて喉頭の回転ならびに傾斜について測定し, 男女間の差, 年齢間, すなわち20~30歳代と50~70歳代の低・高年齢群における差を検討して以下の結論が得られた.
1. 喉頭枠組み全体, すなわち甲状軟骨は頸椎の前後に対して右に回転し, 男性において高年齢者ほど有意に回転角が大きい傾向にあつた. 一方輪状軟骨レベルでは, 性別, 年齢にかかわらず軽微な回転であつた.
2. 喉頭の傾斜は全体としては, 一定方向への傾きや, 男女ともに加齢による変化は認められなかつた.
3. 喉頭内の回転は, 男, 高齢者において甲状軟骨が輪状軟骨に対して有意に右方向に回転する傾向があつた. 要因として男性および加齢の二つが大きく関与しているものと思われた.

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