耳鼻と臨床
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副鼻腔炎に対するCMX鼻科用剤のネブライザー噴霧吸入療法による薬効評価
馬場 駿吉宮本 直哉小林 武弘横田 明加藤 薫纐纈 正和坂倉 康夫間島 雄一竹内 万彦川口 信也浜口 幸吉鈴村 栄久有馬 忍坂倉 健二山田 弘之篠木 淳山田 哲生伊藤 由起子福山 智子茂木 五郎川内 秀之一宮 一成島村 康一郎吉村 弘之茶園 篤男高田 順子藤吉 達也金田 規嗣大山 勝古田 茂松崎 勉昇 卓夫宮崎 康博原口 兼明鰺坂 孝二出口 浩一米虫 節夫
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1995 年 41 巻 2 号 p. 192-217

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抄録
副鼻腔炎に対するCMX鼻科用剤のネブライザー噴霧吸入療法における有効性と安全性ならびに至適濃度について検討し, 以下の結果を得た.
1. 臨床効果は, H群の78%に対し, L群は61%であつたが両群間に有意な差は認められなかつた. しかしながら, 同等性の検定においてH群の方がL群に比較して同等以上の臨床効果を有することが検証された.
2. 臨床・細菌学的効果は, H群76%に対し, L群は68%と両群に有意な差は認められなかつた.
3. X線所見による改善度は, H群の52%に対し, L群は46%とH群の方が高い改善率を示したが, 両群間に有意な差は認められなかつた.
4. 副作用はL群において2例認められたが, 噴霧吸入時の一過性の鼻部掻痒感などで特に重篤な副作用ではなかつた.
以上の成績より, 副鼻腔炎に対するネブライザー噴霧吸入療法におけるCMX鼻科用剤の至適濃度は1.0%濃度が妥当であると考えられた。
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