抄録
副鼻腔炎に対するCMX鼻科用剤のネブライザー噴霧吸入療法における有効性と安全性ならびに至適濃度について検討し, 以下の結果を得た.
1. 臨床効果は, H群の78%に対し, L群は61%であつたが両群間に有意な差は認められなかつた. しかしながら, 同等性の検定においてH群の方がL群に比較して同等以上の臨床効果を有することが検証された.
2. 臨床・細菌学的効果は, H群76%に対し, L群は68%と両群に有意な差は認められなかつた.
3. X線所見による改善度は, H群の52%に対し, L群は46%とH群の方が高い改善率を示したが, 両群間に有意な差は認められなかつた.
4. 副作用はL群において2例認められたが, 噴霧吸入時の一過性の鼻部掻痒感などで特に重篤な副作用ではなかつた.
以上の成績より, 副鼻腔炎に対するネブライザー噴霧吸入療法におけるCMX鼻科用剤の至適濃度は1.0%濃度が妥当であると考えられた。