耳鼻と臨床
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喉頭アレルギーの総合的研究
山下 利幸山口 幹夫武田 直也嶋田 高明堀 洋二立花 文寿記本 晃治竹内 紳一加島 健司木下 道子阿部 晃治田村 公一石谷 保夫小池 靖夫布村 進作近藤 昭男
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1995 年 41 巻 5Supplement2 号 p. 871-877

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抄録

喉頭アレルギーの病態については不明な点が多い. 喉頭は解剖学的にアプローチ困難な部位であり, しかも呼吸にとって重要な役割を果たしている. このことにより局所におけるアレルギーの検査が容易でなく, 実地臨床の場で診断に苦慮することも多い.
われわれは実験動物を用いた喉頭アレルギーモデルを作製した. さらに抗原粒子の喉頭粘膜への付着の可能性の有無およびヒスタミンの喉頭粘膜血流量に及ぼす影響について検討した. その結果動物において喉頭にアレルギー反応が存在しうるという結論を得たため臨床的な検討を行った. 臨床的に喉頭アレルギーが疑われる患者に対し, 抗アレルギー剤の投与を行い, 症状, 所見の改善を認めた. また一例において誘発反応を行い, 組織学的にアレルギー反応をとらえた. これらの結果を踏まえて喉頭アレルギーの存在を確認するとともに, 簡便に診断できるクライテリアの確立が喉頭アレルギー診療に寄与すると思われた.

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