抄録
鳥取大学耳鼻咽喉科で皮膚テストを実施した1547例のうち, イネ科 (カモガヤ, チモシー) 花粉に陽性であった401例 (男性234例, 女性167例) を検討した.
1) カモガヤ (皮内テスト), チモシー (スクラッチテスト) の陽性率は12.0%, 21.7 %であった.
2) 対象とした401例のカモガヤ, チモシーの陽性率は46.1%, 84.2%, ともに陽性の例は30.6%であった. ハウスダスト, ダニ, スギ, キク科花粉の皮膚テストがすべて陰性であった例は3.5%であった.
3) カモガヤ, チモシー花粉のRAST陽性率は78.9%, 74.8%であった. 両抗原の RASTを実施した108例のRAST陽性率は, 88.0%, 91.7%であった.
4) 花粉飛散期の症状増悪は32.7%に認められた. 20歳以上の群, RASTスコアが4 の群で飛散期の症状増悪を訴える例が有意に多かった.