耳鼻と臨床
Online ISSN : 2185-1034
Print ISSN : 0447-7227
ISSN-L : 0447-7227
病巣感染症に対する口蓋扁桃摘出術の効果
木寺 一希高木 誠治内田 雅文宮崎 純二津田 邦良進 武幹
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 46 巻 1 号 p. 21-24

詳細
抄録

1982年から1997年までの15年間に、皮膚症状を呈し扁桃病巣感染症の疑いにて当科にて扁桃摘出術を施行した89例について臨床統計的観察を行った。対象は男性34例、女性 55例で、疾患の内訳は掌蹠膿疱症が最も多く62例 (69.7%) 、ついで多形滲出性紅斑、乾癬、結節性紅斑、薄麻疹の順であった。病巣感染症に対する扁桃摘出術の有効率は 85.7%であり病巣感染症に対して扁桃摘出術は積極的に施行すべきと考えられた。術前検査値と扁桃摘出術の有効率との検討では、ASO、ASKについては術前異常値を示した症例の有効率がやや高い傾向を示したが、統計学的有意差はなくその他にも病巣感染由来と思われる検査異常値は認められなかった。このことから病巣感染症に対する口蓋扁桃摘出術の効果を予測し得る検査方法の確立が必要であると思われた。

著者関連情報
© 耳鼻と臨床会
前の記事 次の記事
feedback
Top