耳鼻と臨床
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気切高齢患者の在宅管理における問題点
小泉 純子岩本 俊彦高崎 優
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2001 年 47 巻 2 号 p. 110-114

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抄録
近年、高齢人口の増加並びにQOL向上を目的とした在宅医療の推進運動に伴って、在宅医療における気切高齢者管理の重要性は高まる。そこで、高齢者の特殊性を考慮しながら、その在宅管理における問題点を検討した。対象は肺結核後遺症の3例、肺気腫の1例で、以下の特徴と問題点が浮き彫りにされた。すなわち、基礎疾患からの経過が長く、患者は呼吸不全の後、HOTが導入された。経過中に肺炎や心不全が合併し、気切された。気切時の年齢は62-71歳で、予後は不良であった。気切後、譜妄、機器の使用困難、意思疎通の困難等の要因によって気切管理に支障がみられた。また、一人暮らし、高齢配偶者等の家族の構成が多く、気切管理やトラブル発生時の対応に問題が残った。以上より、気切患者の在宅管理には、現状の把握とともに在宅管理のシステム作り等、早急な対策が不可欠と考えられた。
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