耳鼻と臨床
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耳鼻咽喉科におけるいびきカウンセリングの必要性
池松 亮子
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2003 年 49 巻 4Supplement2 号 p. S103-S107

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抄録

睡眠時無呼吸症候群 (sleep apnea syndrome: SAS) が第5の生活習慣病として話題を集めている昨今、その必発症状であるいびきに対しても、関心が集まり始めている。いびきで悩む人々は、いびきの発生源が上気道であることから耳鼻咽喉科を受診することが多い。本稿では14カ月間にいびきの改善方法を求めカウンセリングに訪れた579名に対し、耳鼻咽喉科疾患の有無といびきの原因との関連を検討し、治療の選択とその効果をまとめた。その中でSASが疑われた45: 9%に対し、終夜睡眠ポリグラフィ検査 (polysomnography: PSG) を施行した結果、無呼吸・低呼吸指数 (apnea hypopnea index: AHI) が20以上のSAS患者は53%に、また吸気性喘鳴を伴ういびき者においては2例に多系統萎縮症 (Shy-Drager症候群) が認められた。いびき音の改善を主訴に訪れた患者の中に、重症SASや神経疾患が存在していたことから、習慣性いびきに対する診断基準の早期統一化と、いびき音傾聴の必要性、耳鼻咽喉科. 呼吸器科・神経内科との連携が重要であると考えられた。

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