耳鼻と臨床
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中咽頭への液体注入による嚥下反射の惹起
唐帆 健浩兵頭 義浩松村 優子北川 洋子安達 仁田部 哲也北原 哲
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2003 年 49 巻 5 号 p. 363-366

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抄録
健常成人10名を対象に、口腔から挿入したチューブを舌根部に固定して、さまざまな液体を中咽頭に注入し、嚥下反射が惹起されるまでの注入時間および注入量を比較検討した。口腔内にカテーテルを、口唇から9-10cm挿入し, シリンジポンプを用いて一定速度で舌根部に各種液体を注入した。注入設定は (1) 常温蒸留水の緩徐注入、(2) 常温蒸留水の急速注入、(3) 常温生理食塩水の急速注入、(4) 冷却蒸留水の急速注入、(5) 冷却炭酸水の急速注入とし、10回の嚥下を観察した. 注入速度が増すと、嚥下反射惹起までの注入時間は短縮し、注入量は増加した。NaClを添加すると注入時間、注入量ともに増加した。液体の冷却および発泡性の添加により、注入時間、注入量ともに減少した。健常成人においては、少量の冷却炭酸水を中咽頭に注入することで嚥下反射を惹起することが可能である。
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