2004 年 50 巻 2 号 p. 122-129
今回われわれは鼻咽腔血管線維腫の1例を経験した。症例は43歳の男性。画像評価の後、栄養血管の塞栓術および腫瘍摘出を行ったが、全摘できず、放射線治療およびホルモン療法を行うも、腫瘍は増大した。その後も数回の摘出術および放射線治療 (計100.5Gy)、化学療法を行うもコントロールできず、悪性転化した。その後IL-2およびサリドマイドによる治療を行ったが、増大を防ぐことができず、不彰な転帰をたどった。治療は外科的切除が原則であり、あくまでも根治的な手術を目指すべきであったと思われた。