耳鼻と臨床
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東北地区におけるアレルギー性鼻炎アンケート調査
-鼻症状とQOLからみた抗アレルギー剤の有用性-
松原 篤池野 敬一新川 秀一高坂 知節
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2004 年 50 巻 2 号 p. 130-138

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抄録

東北地区144施設176名の医師の協力を得て、2001年8月から2002年1月にかけて、体調、鼻症状、QOL(quality of life)、局所所見、および薬剤の投与状況からなる調査表を用いてアレルギ-性鼻炎の調査を行った。総症例1,596名のうち通年性アレルギー性鼻炎940例について、鼻症状とQOLの相関について検討したところ、通年性アレルギー性鼻炎では、鼻閉が最も日常生活を障害する因子であることが示唆された。また、調査期間中に2回の回答が得られた通年性アレルギー性鼻炎635例を対象として、鼻症状とQOLの観点から抗アレルギー剤による治療効果についても検討した。抗ヒスタミン剤にロイコトリエン受容体拮抗剤を併用された群の方が抗ヒスタミン剤単独で治療された群よりも、鼻汁と鼻閉が有意に改善していた。また、鼻症状の改善に伴いQOLの改善も認められ、鼻症状に合わせて薬剤を選択することがQOLの改善に重要であると考えられた。

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