耳鼻と臨床
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咽喉頭異常感症の治療
-ランソプラゾールを第一選択薬としたステップアップ方式の導入-
山下 弘之久保 和彦壁村 哲平松本 真裕落合 敏彰
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2004 年 50 巻 2 号 p. 161-164

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抄録

胃食道逆流症による咽喉頭異常感症症例6名に対しランソプラゾールあるいはランソプラゾール+クエン酸モサプリドの内服による治療を行った。まず、すべての症例に対しランソプラゾール30mgを4週間投与した。症状の改善を認めた3名にはランソプラゾール30mgをさらに4週間投与し治療を終了した。ランソプラゾールが有効であった症例は逆流物による化学的な食道粘膜障害が異常感の原因であると思われた。症状の改善を認めなかった3名にはランソプラゾール30mg+クエン酸モサプリド15mgを4週間投与し2名に改善を認めた。クエン酸モサプリドの併用が有効であった2名は逆流による機械的な刺激によって異常感が発生したと思われた。

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