抄録
口腔癌における術後頸部感染につき感染率、検出菌について検討した。対象は舌癌49例で、感染率は切除術式別に舌部分切除0%、舌半切16.7%、舌亜全摘22.2%で全体では14.3%であった。検出菌の多くは口腔内常在菌であるStreptococcus milleri group、嫌気性菌であった。術後頸部感染のみならず誤嚥性肺炎、術後肺炎の病原菌としても口腔内常在菌は注目されており、口腔内常在菌の制御が術後頸部感染においても重要であると考えられた。口腔内常在菌制御を目的として、当科では歯科衛生士による口腔ケアの導入を開始した。