耳鼻と臨床
Online ISSN : 2185-1034
Print ISSN : 0447-7227
ISSN-L : 0447-7227
栄養サポートチーム(NST)が協力して経過良好であった嚥下障害の3例
佐藤 奈央平田 佳代子佃 守
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 52 巻 4 号 p. 263-269

詳細
抄録

嚥下訓練に栄養サポートチーム (nutrition support team: NST) が協力して非常に経過良好であった3症例を報告した。症例1は61歳男性で口腔底癌術後の嚥下障害、症例2は79歳男性で脳血管障害の偽性球麻痺による嚥下障害、症例3は54歳男性で中咽頭癌に対する化学放射線療法後の嚥下障害であった。これらの症例に対して嚥下訓練と NSTによる栄養管理を協力して行った。症例1は入院時には経口摂取不能であったが、退院時には七分粥五分菜きざみと高カロリー流動食を経口摂取できるようになり、症例2は入院時にはミキサ一食を少量摂取できていたのみであったが、最終的には全粥軟菜きざみを摂取できるようになった。また、症例3は入院時には経口摂取不能であったが、最終的には全粥ととろみ付きミキサー食および高カロリー流動食を経口摂取できるようになった。3症例とも嚥下障害重症度が改善し、栄養状態も改善傾向を示した。嚥下治療とNSTの連携は効果的である。

著者関連情報
© 耳鼻と臨床会
前の記事
feedback
Top