めまいを主訴とし潤和会記念病院耳鼻咽喉科を受診した26名に対して平衡訓練を施行し、訓練の継続施行の可否、治療成績について検討した。治療成績の評価は、自覚的には岐阜大式日常生活動作評価表にて、客観的には重心動揺検査にて訓練後4週目に行った。4週間の訓練が継続可能であったのは26名中14名 (54%) にとどまった。訓練が実施できた14名では、日常生活動作評価表 (156点満点) は、訓練前の119±17.6から訓練4週後の140±10.8まで改善した。重心動揺計検査では、外周面積 (cm2) と単位軌跡長 (cm/s) が開眼、開眼ともに改善傾向を認めたが、単位面積軌跡長 (1/cm) は変化しなかった。訓練が可能であった群と未実施群で重心動揺計検査異常の割合を比較したところ、実施可能群では14名中2名 (21%) 、未実施群では6名中4名 (67%) であった。