2006 年 52 巻 6 号 p. 360-366
2003年5月-2004年12月に浜松医科大学附属病院耳鼻咽喉科を受診した通年性アレルギー性鼻炎10例を対象に、PGD2・TXA2受容体拮抗薬ラマトロバンの鼻腔通気度に及ぼす影響を光鼻腔通気度計 (Photo Rhinometer: PRM) を用い調査した。ラマトロバンは結露面積、最大結露面積、結露面積速度をともに増加させ、鼻腔通気状態を改善させた。自覚的鼻閉感は努力呼吸における最大結露面積と、鼻閉感の改善は通気量の増加とともに結露面積速度の改善がよい相関を示した。PRMは鼻腔通気状態を非侵襲的、定量的、視覚的に観察評価することができ、鼻呼吸状態の把握およびその改善度を臨床的に評価する上で有用と思われた。