2007 年 53 巻 2 号 p. 79-82
外耳道巨細胞腫の症例を報告した。症例は54歳、男性で主訴は耳閉感であった。腫瘍は球状で、圧痛はなかった。局所麻酔下で摘出したが、骨との癒着は認めなかった。術後1年を経過するも再発は認めていない。今日まで報告されている外耳道巨細胞腫は、本例を含めて3症例であり極めてまれな腫瘍と考える。また、筆者らの施設で摘出した外耳道良性腫瘍の統計も併せて報告した。摘出された外耳道良性腫瘍は13年間で39例であった。最も多かった症例はepidermal cystで11例で、次いでnevusで7例、乳頭腫が5例であった。