耳鼻と臨床
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喉頭に扁平上皮癌と平滑筋肉腫との異時性発生を示した2例
矢野 純也岩井 大小西 将矢大谷 真喜子大前 麻理子福武 知重山下 敏夫
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2007 年 53 巻 2 号 p. 90-95

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抄録

喉頭に扁平上皮癌と平滑筋肉腫とが異時性に重複した2症例を報告した。このうち1例では先に平滑筋肉腫が発生し、他方は扁平上皮癌治療後に平滑筋肉腫が発生した。喉頭における平滑筋肉腫の発生や、さらに扁平上皮癌との合併は非常にまれであり、両者の関連性もはっきりしていない。後者において扁平上皮癌に対し放射線治療が行われたが放射線誘発性平滑筋肉腫の可能性は否定的であった。喉頭平滑筋肉腫は、病理学的検査を含め診断が困難な場合があり、また、手術以外の治療法に乏しく、遠隔転移率が高いとされている。喉頭腫瘍を認めた際、扁平上皮癌のみならず本症の可能性も考え、早期診断と適切な手術的治療が望まれる。

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