抄録
福岡県における新生児聴覚スクリーニングの実態調査を県下関連施設へのアンケートによって行った。回答が得られた一次スクリーニング施設での新生児数は福岡県全体の出生児総数の51%に相当した。このうち新生児聴覚スクリーニングを受けた新生児は81%であった。一次スクリーニングで要精査となった250名の流れを追った。要精査児の31%がスクリーニング後の動向が不明であった。精密医療機関のうち、耳鼻咽喉科以外に紹介された児が54%と半数を超えた。精密医療機関で難聴の診断に耳鼻咽喉科医が関与していない児が32%を占めた。受診が遅れる重複障害児を除く要精査児の10%は3カ月以上たって精密医療機関に受診していた。検査後の母体へのケアやスクリーニングの目的である早期発見早期療育を達成するためには全体を統括するシステムや関係機関での情報の共有が必要である。