抄録
眼窩内および頭蓋内浸潤を来し、不幸な転帰をたどった侵襲型副鼻腔アスペルギルス症の1例を経験したので報告する。症例は76歳、男性で、基礎疾患として糖尿病があった。副鼻腔真菌症の術後、約半年を経過した後に急激な視力障害と頭痛を来し、眼球摘出を含む病変の摘出・清掃と抗真菌剤の全身投与を行ったが、急速に症状の進行を認め不幸な転帰をたどった。診断後早期に病変の徹底除去を目的とした拡大手術を行い、併せて継続的な抗真菌剤投与を行うことが予後の改善につながるものと考えられるが、基礎疾患として糖尿病等の低免疫状態を有するものが多く、治療に苦慮する疾患であることを改めて認識させられた1例であった。