抄録
わが国の死亡原因の第4位は、肺炎であり、肺炎で死亡する患者の90%以上は高齢者である. その多くは嚥下性肺炎であり、脳梗塞後の患者に多い. この場合明らかな所見のない誤嚥 (不顕性誤嚥) が肺炎の原因として最も重要であり、肺炎治療と同時に肺炎 (誤嚥) 予防が重要である. その際、肺炎リスクを予測するための嚥下機能評価方法としては、従来の嚥下造影を中心とするアプローチは有効ではない. 仰臥位で嚥下機能を評価する必要がある. 肺炎の治療として抗菌薬の必要性は疑いないが、漫然と抗菌薬のみを投与していても肺炎の治癒には結びつかない. 高齢者の生理機能や嚥下機能に配慮した特異的な治療や予防対策が求められる. 肺炎につながるような恒常的な不顕性誤嚥を減らす努力と口腔ケア、嚥下リハビリテーションを導入することが予後の改善に結びつく.