超音波診断 (ultrasonography: 以下US) を用いた下咽頭癌頸部リンパ節転移の化学放射線治療効果判定と予後の関係について検討した。USでは,個々のリンパ節転移の変化をとらえることが可能で,治療後に触診やCT,MRIでは検出できなくなった転移リンパ節の所見も追跡することが可能であった。転移リンパ節が消失または痕跡化した症例の予後は良好で,さらに縮小または不変と転移リンパ節が残存した症例でも,リンパ節硬度の低下やリンパ節内の血流消失といった,転移リンパ節内部の変性所見が認められたものは予後が良好であった。一方,縮小または不変で転移リンパ節変性所見がみられない症例の予後は不良であった。USによる頸部リンパ節転移の化学放射線治療効果判定は予後の推測に有用と思われた。