耳鼻と臨床
Online ISSN : 2185-1034
Print ISSN : 0447-7227
ISSN-L : 0447-7227
[第13回頭頸部癌化学療法研究会]化学放射線治療後の超音波診断 (US)
古川 まどか久保田 彰藤田 芳史古川 政樹
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 54 巻 6Supplement1 号 p. S14-S19

詳細
抄録

超音波診断 (ultrasonography: 以下US) を用いた下咽頭癌頸部リンパ節転移の化学放射線治療効果判定と予後の関係について検討した。USでは,個々のリンパ節転移の変化をとらえることが可能で,治療後に触診やCT,MRIでは検出できなくなった転移リンパ節の所見も追跡することが可能であった。転移リンパ節が消失または痕跡化した症例の予後は良好で,さらに縮小または不変と転移リンパ節が残存した症例でも,リンパ節硬度の低下やリンパ節内の血流消失といった,転移リンパ節内部の変性所見が認められたものは予後が良好であった。一方,縮小または不変で転移リンパ節変性所見がみられない症例の予後は不良であった。USによる頸部リンパ節転移の化学放射線治療効果判定は予後の推測に有用と思われた。

著者関連情報
© 耳鼻と臨床会
前の記事 次の記事
feedback
Top