耳鼻と臨床
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[第13回頭頸部癌化学療法研究会]N陽性頭頸部扁平上皮癌における化学放射線治療後のFDG-PETによる頸部評価
鬼塚 哲郎飯田 善幸上條 朋之浅野 理恵
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2008 年 54 巻 6Supplement1 号 p. S9-S13

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抄録

頸部リンパ節転移を有する進行,中・下咽頭,喉頭癌に対して,high-doseの同時化学放射線治療 (CRT) を施行し,原発巣はCRとなったが,CTまたはMRIで頸部に残存か瘢痕か判定しがたいequivocalな陰影の残った13例, 20個のリンパ節を対象としてCRT後1-12カ月にFDG-PETを行った。内訳は,中咽頭8,下咽頭3,喉頭2,ステージIII期1,IV期12,N1/1,N2a/1,N2b/4,N2c/5,N3/2,CDDP-R (100mg/m2) 7例,FP-R (80mg/m2, 400mg/m2) 6例であった。切除不能が7例含まれた。頸部リンパ節に対するFDG-PETは,CRT後2カ月以内では2個の偽陰性がみられ陰性的中率は2/4 (50%) であったが,放射線治療後3-12カ月の陰性的中率は12/13 (92%) と高かった。転帰は無病生存8例,遠隔転移あり生存2例,N死3例であった。今後は,CRT後3カ月でPET検査を行い1cm以下の頸部リンパ節のPET陰性例は経過観察, 1cmを超える頸部リンパ節のPET陰性例は経過観察または頸部郭清術,PET陽性例は頸部郭清術を行う基本方針である。

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