耳鼻と臨床
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[第13回頭頸部癌化学療法研究会]化学放射線療法後のsalvage手術法の選択
喉頭癌の場合
古田 康本間 明宏折舘 伸彦愛宕 義浩鈴木 清護鈴木 章之福田 諭
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2008 年 54 巻 6Supplement1 号 p. S61-S66

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抄録

喉頭癌の化学放射線療法 (chemoradiotherapy; CRT) 後の再発症例において,salvage手術法の選択について検討した。1995年-2001年のCBDCAまたはCDDP併用CRT後の再発例においては23例全例で喉頭全摘術が施行された。2002年-2005年のDOC併用CRT後の再発例においては喉頭機能温存手術が4例に,喉頭全摘術が6例に施行された。症例を選択すれば喉頭機能温存手術は可能であると考えられた。CRT後においては2年以上経過してからの再発例も多くみられ,喉頭機能温存手術を施行するためには, 2年以上経過しても画像検査を含め,経過観察を慎重に行うべきであると考えられた。喉頭全摘術を余儀なくされた場合でも,人工喉頭挿入によるTEシャント発声によりquality of life (QOL) の向上を図ることができた。また,いずれのsalvage手術においても術後の創合併症の発生率が高く,創合併症に対する適切な対処が重要であると考えられた。

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