耳鼻と臨床
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[第13回頭頸部癌化学療法研究会]化学放射線療法後の手術治療
原発巣について
藤井 隆吉野 邦俊上村 裕和赤羽 誉栗田 智之鈴木 基之毛利 武士島田 貴信
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2008 年 54 巻 6Supplement1 号 p. S67-S72

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抄録

頭頸部癌に対する化学放射線療法の高い評価は確立されてきたが,その適応を拡大すれば非制御例に対する救済手術が増加するのは避けられず,術後創部合併症が問題となる。当科における化学放射線療法後の原発巣に対する救済手術は, 1998一2007年の10年間に37例 (喉頭12,口腔2,下咽頭7,中咽頭6,鼻・副鼻腔10) であった。これらを対象に術後合併症を検討した結果,約半数に創部合併症が生じていたが,危惧された重篤な術後合併症はみられなかった。その原因として,頸部郭清を必要最小限としたこと,血行の良い遊離組織移植による再建例が多かったこと,喉頭癌では照射野が比較的狭かったことが考えられた。また,化学放射線療法後の条件の悪い術野でも確実に遊離組織による再建を成功させる形成外科医の協力が不可欠であると思われた。

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