日本耳鼻咽喉科学会会報
Online ISSN : 1883-0854
Print ISSN : 0030-6622
ISSN-L : 0030-6622
原著
めまいや歩行・起立障害を訴えた小児の転換性障害の2例
五島 史行守本 倫子泰地 秀信
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 116 巻 2 号 p. 91-96

詳細
抄録

小児心因性起立, 歩行障害の症例を呈示し, 文献的考察を行った. 症例1は10歳男児で心因性発熱, 心因性視力障害を合併した症例で, 発症後約4カ月経過して症状は改善した. 症例2は10歳男児で, 頭痛, 微熱, 倦怠感, 心因性視覚障害を合併したものであり, 約5カ月経過して症状が改善した. 小児の心因性起立, 歩行障害の頻度は高いものではないが, 診察に際しては臨床的特徴を熟知しておく必要がある. 治療にはある程度の期間が必要である. 器質的疾患を除外し, 診断を確定した後は呈示した症例のように治療を急がず, 時間をかけた対応が必要である.

著者関連情報
© 2013 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top