2013 年 116 巻 3 号 p. 170-173
内視鏡下鼻内副鼻腔手術法として, 下鼻甲介粘膜下経由上顎洞篩骨洞手術を1993年日本耳鼻咽喉科学会会報に発表した. 本術式は下鼻甲介粘膜下骨切除術を行い, 鼻涙管と下鼻甲介を一塊として左右に揺れる状態にさせ, 膜様部の処理を行う手術である. 原法では粘膜を切除する際に一部骨の露出が起こり, 術後痂皮形成に悩まされることがあり, 術式の改良を必要とした. 粘膜下下鼻甲介骨切除術の切開線を前後方向とし, 下鼻甲介粘膜を切除しないで上顎洞の大きさに見合った膜様部の開窓を行うことにより, 術後の痂皮形成が減少した. つまり術後の創傷治癒期間が原法より短縮できたので, 下鼻甲介粘膜下経由上顎洞篩骨洞手術変法の術式を紹介する.