新生児の先天性腫瘍のうち最も多いのは奇形腫であるが, 口蓋, 咽頭から発生する奇形腫は非常にまれで, 200,000人に1人と言われている. 症例は胎児エコー検査にて口腔から突出する巨大腫瘍を指摘され, 当院へ母体搬送された. 出生前MRIにて腫瘍が大きく胎児が出生後に呼吸できない可能性が高いため, Ex utero intrapartum treatment (EXIT) について説明をしたが希望されなかった. 妊娠35週に帝王切開を施行し気管内挿管を試みるも困難なため, 局所麻酔下にて気管切開を行い気道が確保できた. その後, 2回にわたる手術で, 上咽頭から発生し口腔外へ突出した巨大奇形腫を完全に摘出できた1例を経験したので報告する.
抄録全体を表示