日本耳鼻咽喉科学会会報
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総説
脳科学的研究からみたうつ病の診断と治療
土岐 茂山脇 成人
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2015 年 118 巻 7 号 p. 829-832

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抄録
 うつ病は気分の落ち込みや興味・関心の喪失を主症状とする臨床症候群である. 近年の臨床研究の蓄積から, うつ病は慢性的な全身性疾患であるという考えが定着しつつある. 本稿では対象喪失という心理モデルから, 報酬系システムの不全という生物モデルへと発展した歴史を振り返り, 最新の診断基準や科学的知見, 臨床研究を総合的に捉えなおすように試みる. 多岐に渡る研究の概要を俯瞰することは困難であるが, 今後, こうした研究の積み重ねが意味のある知見に結びつくことを期待したい.
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© 2015 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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