抄録
頭頸部扁平上皮癌で原病死した54例を対象に悪液質となる過程と生存期間について modified Glasgow Prognostic Score (mGPS) を基に後ろ向きに調査した. 悪液質群は初診時8例 (15%) で, 死亡前は50例 (93%) であった. 悪液質群50例の生存期間は中央値59日, 平均95日で, 50例中32例が余命3カ月以内であった. 悪液質群50例中40例が当初から緩和医療が導入されていた. mGPS が悪液質群に至ったときには予測余命が短く, 積極的な治療の中断を考慮するなど, mGPS が終末期の頭頸部癌において生命予後を予測する指標となる可能性がある.