日本耳鼻咽喉科学会会報
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原著
MRI 検査後に人工内耳インプラント磁石の反転を来した2症例
片岡 祐子内藤 智之假谷 伸菅谷 明子前田 幸英福島 邦博西﨑 和則
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2017 年 120 巻 5 号 p. 727-732

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抄録

 近年の人工内耳は, 1.5T までの磁場であればインプラント磁石を取り出すことなく MRI 検査を行うことができる. ただ疼痛や皮膚発赤, 減磁や脱磁, 磁石の変位などの合併症が起こり得る.
 今回われわれは MRI 後に人工内耳インプラントの磁石の反転を来した2症例を経験した. 2例とも磁石は180度反転してシリコンフランジ内に格納されており, 1例は極性を逆にした体外磁石を特注し, もう1例はインプラント磁石の入れ替え手術を行った. 人工内耳は適応の拡大, 高齢化などに伴い, 今後も装用者は増加すると見込まれる. 医療者として, 人工内耳患者が MRI を受ける上での留意点, 合併症が生じた場合の検査, 対応などを認識する必要がある.

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© 2017 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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