2019 年 122 巻 1 号 p. 35-44
スギ花粉症に対する舌下免疫療法が臨床応用され3シーズンが経過した. しかし, 治療の実態には不明な点が多い. 今回, 舌下免疫療法開始1シーズン終了群109例, 2シーズン終了群121例, 3シーズン終了群126例の計356例に質問票を用いて服薬状況, 自覚的治療効果, 副反応, 治療満足度, 治療に伴う負担などについて検討を行った. その結果, 服薬状況は両群で70%以上の患者がほぼ毎日服薬しており, 有効性を自覚していることが示唆された. また, 副反応は1シーズン終了群では26.5%に認められたが, 2シーズン終了群では0%, 3シーズン終了群では2.9%と減少する傾向が認められた. 副反応のすべてが特に処置を必要としない軽微な反応で, その多くが口腔内病変であった. 90%以上で治療の継続を希望しており, 舌下免疫療法はスギ花粉症の治療法の有効な方法の一つであるが, 副反応への対応を念頭に置くことが肝要であると考えられた.