2019 年 122 巻 12 号 p. 1516-1521
ダニアレルゲンによる通年性アレルギー性鼻炎に舌下免疫療法が開始された. 治療1年目の臨床効果について検討した. 当院でダニ舌下免疫療法をミティキュア® ダニ舌下錠で開始し, 2018年末までに1年以上の経過を観察し得た64例 (男性38, 女性26, 12~53歳, 平均20.5±10.8歳) を検討した. 日本アレルギー性鼻炎標準 QOL 調査票 (JRQLQ No.1) を用いて, 鼻症状とフェイススケールを治療前, 6カ月後と1年後に調査した. また, 毎回の受診時に副反応も聴取した. スコアの変化 (平均±標準偏差) を治療前→6カ月後→1年後の順で記載すると, くしゃみ1.3±1.1→0.8±0.9→0.7±0.7, 水っぱな1.6±1.2→0.8±0.9→0.7±0.6, 鼻づまり1.6±1.2→1.0±1.1→0.8±0.8, フェイススケール1.7±0.9→1.2±0.9→1.1±0.8で, 治療により有意に改善した. 1年後の重症度改善は, 改善26例 (40.6%), 軽度改善26例 (40.6%), 不変12例 (18.8%), 悪化0例であった. 副反応は42例 (65.6%) にあり, すべての副反応は処置不要であった. ダニ舌下免疫療法は, 治療6カ月後と1年後に有意に鼻症状を改善した.