経頸部的なルビエールリンパ節郭清の術後には嚥下障害を来すことが多い. 原因は迷走神経から分岐する咽頭神経叢の障害と推定されたので, 同神経叢を温存するルビエールリンパ節郭清術を考案した. 方法は顎下部皮膚を切開し顎二腹筋後腹と茎突舌骨筋を切離して舌下神経を同定する. 舌下神経と迷走神経の接合部付近に迷走神経咽頭枝があり神経刺激装置を用いて咽頭神経叢を同定する. ルビエールリンパ節の摘出は視野が狭く, 硬性内視鏡補助下に行う. 甲状腺乳頭癌のルビエールリンパ節転移を認めた2症例に前述の術式を行い良好な結果を得た. ルビエールリンパ節郭清では咽頭神経叢の温存で嚥下障害を予防できることが示唆された.