日本耳鼻咽喉科学会会報
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総説
喉頭・咽頭逆流症の現状
動物モデルを用いた胃酸逆流による咽喉頭症状の機序解明
島津 倫太郎倉富 勇一郎
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キーワード: LPRD, GERD, モデルラット
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2019 年 122 巻 9 号 p. 1209-1213

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抄録

 咽喉頭酸逆流症 (Laryngopharyngeal reflux disease: LPRD) の罹患者数は, 年々増加傾向にある. しかし LPRD の発症機序や胃酸逆流との関連性には不明な点が多い. その病態生理を理解するために, われわれはヒトの慢性逆流性食道炎の病態に近い GERD モデルラットを作製し, 咽喉頭および下気道の組織学的変化を観察してきた. これまで咽喉頭異常感症, 慢性咳嗽, 喉頭肉芽腫, 歯牙酸食および歯周炎, 肺線維症の発症機序における胃酸逆流の関連性について検討した. そこでこれらの結果を総括し, 今後の課題について解説する.

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© 2019 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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