1997 年 100 巻 3 号 p. 316-325
EPはanoxia負荷により負の電位negative EP (-EP) となり-EPの発生には蝸牛有毛細胞が密接に関係していると考えられている. 内耳障害モルモットを用いて, 有毛細胞障害の程度と-EPの変化動態を比較検討した結果, 総外有毛細胞消失率は-EPの最大値 (max-EP) と最も強く相関していた. これはK+などのイオンの拡散が主に外有毛細胞内を通って行われることを意味するものと思われた. また, max-EPはhookから第2回転までの外有毛細胞消失率と最も強く相関しており, 経正円窓法で測定された-EPがhookから第2回転までの外有毛細胞障害を最もよく反映することを意味するものと思われた.