1997 年 100 巻 4 号 p. 444-448
形成外科医を遠方の施設より定期的に招聘して頭頸部再建手術を行っている当施設の現況を報告し, その手術体制上の問題点を考察した. 特に形成外科医と耳鼻科医のCTやMRIなどの画像情報の術前情報交換が重要であり, 近い将来コンピュータによるインターネットを利用しての情報交換がその役割を果たす可能性が高いこと, および吻合血管の閉塞等の術後合併症に対する即応体制づくりの重要性を強調した.
遊離弁による再建の成功率は27例中26例で96.3%であり, 複数施設協力体制下での頭頸部再建外科手術が十分機能している成績であると思われた.