自律神経機能障害が原因と思われるめまい症例94例に対し, 心電図RR間隔の周波数スペクトル分析を用いて, 安静時, 安静時から起立後の経時的な変動ならびに起立負荷時の自律神経機能を測定した. そして, 脈波伝播速度 (PWV) と心電図RR間隔の変動係数 (CV
RR) の自律神経機能の結果と比較した. その結果, 安静時のスペクトル分析の結果はPWV, CV
RRの結果とよく類似していた. また, 特に正常では起立時に亢進すべき交感神経機能がPWV, CV
RRでの交感神経亢進・副交感神経低下例では逆に低下していた. すなわち, 安静時よりすでに過度の交感神経亢進状態にあったものが起立刺激によって突然著しく低下したため, めまいが誘発されたものと考えられた.
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