日本耳鼻咽喉科学会会報
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100 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 間島 雄一, 坂倉 康夫
    1997 年 100 巻 4 号 p. 423-428
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    小児慢性副鼻腔炎の治療の現況につきアンケート調査を施行した. 調査の対象は日本耳鼻咽喉科学会認定専門医制度による認可研修施設である433病院であった. 調査は1995年2月に施行され, 回答率は73.5%であった.
    よく施行される保存的療法のうち鼻処置は89.1%, 経口薬物療法は88.1%, ネブライザー療法は86.2%の施設で施行されていた. 経口薬物療法ではマクロライド系抗生物質と酵素製剤が85%の施設で投与されていた. 鼻・副鼻腔の手術を考慮すると回答したのは241の施設 (77.5%) でこれらのうち鼻茸摘出術が83.8%, 鼻内篩骨洞手術が40.7%で施行されていた. 手術療法の適応となる年齢は5歳以上であり, 適応となる小児は大部分の施設で全小児副鼻腔炎患者の5%以下であった.
  • 矢沢 代四郎, 岡田 和之, 福井 潤, 北西 剛, 北嶋 和智
    1997 年 100 巻 4 号 p. 429-435
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    過去11年間 (1985年-1995年) に当科外来を口渇, 唾液分泌低下や原因不明の唾液腺腫脹を主訴として受診した症例は134例あった. 厚生省シェーグレン病班診断基準に基づいてSjögren症候群確実例30例, 疑い例23例を診断した. 確実例30例の性別は, 女性25例 (83%) と男性5例 (17%) で, 初診時の平均年齢は53.6歳 (女性: 55.8歳, 男性: 42.6歳) であった. 乾燥症状のみの症例は10例 (33.3%), 他疾患との合併は20例 (66.7%) であった. 合併例の内訳は慢性関節リウマチ (RA) 合併: 14例, 全身性エリテマトーデス (SLE) 合併: 1例, RAと結節性動脈周囲炎合併: 1例, 進行性全身硬化症 (PSS) とSLE合併: 1例, PSSと橋本病合併: 1例, 悪性リンパ腫合併: 1例, RAとマクログロブリン血症合併: 1例が認められた.
  • 千田 英二, 佐藤 信清, 川浪 貢, 柏村 正明, 坂本 徹, 福田 諭, 犬山 征夫
    1997 年 100 巻 4 号 p. 436-443
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    歪成分耳音響放射 (DPOAE) による正常聴力耳と難聴耳との鑑別診断基準の確立のために, 耳音響放射専用測定器ILO92を使用しヒト616耳において検討を行った. DPOAEの個体差が大きく明確に正常耳と難聴耳を鑑別することは困難であった. そのため, 感度 (正常耳を正常と正しく判定できる割合) と特異度 (難聴耳を難聴と正しく判定できる割合) の累積度数を求め, 正常耳と難聴耳を区別するカットオフ値の検討を行った. DPOAEの特性を考慮した結果, 偽陽性率 (難聴耳を誤って正常耳と判定してしまう割合) が5%に一致する値がDPOAEの臨床評価に用いることができると考えられた.
  • 鮫島 篤史, 小川 和昭, 廣田 常治, 徳重 栄一郎, 牛飼 雅人, 岩淵 康雄, 西元 謙吾, 松崎 勉, 花牟礼 豊, 福田 勝則
    1997 年 100 巻 4 号 p. 444-448
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    形成外科医を遠方の施設より定期的に招聘して頭頸部再建手術を行っている当施設の現況を報告し, その手術体制上の問題点を考察した. 特に形成外科医と耳鼻科医のCTやMRIなどの画像情報の術前情報交換が重要であり, 近い将来コンピュータによるインターネットを利用しての情報交換がその役割を果たす可能性が高いこと, および吻合血管の閉塞等の術後合併症に対する即応体制づくりの重要性を強調した.
    遊離弁による再建の成功率は27例中26例で96.3%であり, 複数施設協力体制下での頭頸部再建外科手術が十分機能している成績であると思われた.
  • 武田 憲昭, 肥塚 泉, 西池 季隆, 北原 糺, 荻野 仁, 久保 武
    1997 年 100 巻 4 号 p. 449-456
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    典型的な眼振を認めた良性発作性頭位めまい症 (BPPV) 患者36例の, 臨床的検討を行った. 性差なく, 発症の平均年齢は55歳であった. 大部分の症例では, 2カ月以内にめまいは消失した. 偏中心性回転刺激 (ECR) における前庭動眼反射 (VOR) の利得の増加を耳石器機能の指標として, BPPV患者25例について耳石器機能を評価した. BPPV患者では, 健常成人で観察されるECRによるVORの利得の増加が認められなかった. この結果は, BPPV患者における卵形嚢の機能異常を意味している. 障害された卵形嚢から脱落した耳石が, 半規管内結石になり頭位めまいが引き起こされると推定した.
  • 心電図RR間隔の周波数スペクトル分析による静的, 経時的および動的分析
    関 聡
    1997 年 100 巻 4 号 p. 457-466
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    自律神経機能障害が原因と思われるめまい症例94例に対し, 心電図RR間隔の周波数スペクトル分析を用いて, 安静時, 安静時から起立後の経時的な変動ならびに起立負荷時の自律神経機能を測定した. そして, 脈波伝播速度 (PWV) と心電図RR間隔の変動係数 (CVRR) の自律神経機能の結果と比較した. その結果, 安静時のスペクトル分析の結果はPWV, CVRRの結果とよく類似していた. また, 特に正常では起立時に亢進すべき交感神経機能がPWV, CVRRでの交感神経亢進・副交感神経低下例では逆に低下していた. すなわち, 安静時よりすでに過度の交感神経亢進状態にあったものが起立刺激によって突然著しく低下したため, めまいが誘発されたものと考えられた.
  • 副鼻腔嚢胞
    飯沼 壽孝
    1997 年 100 巻 4 号 p. 468-471
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
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