日本耳鼻咽喉科学会会報
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新生児声帯粘膜の微細構造
佐藤 公則柏木 彰一平野 実
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1997 年 100 巻 5 号 p. 479-483

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抄録

新生児の声帯膜様部を透過型電顕で観察した. 1) 声帯の粘膜上皮は薄いが, 細胞間隙は非常に狭く, 細胞どうしが密に接し, desmosomeが比較的多く認められた. 粘膜上皮の細胞どうしがより強く接着していると考えられた. 2) 声帯粘膜上皮の基底膜および基底部の接着装置はほぼ完成していた. 声帯粘膜上皮と粘膜固有層の支持的機能がすでに十分に備わっていると考えられた. 3) 粘膜固有層は基質が豊富で線維成分の発達は乏しかった. 膠原線維は成熟した構造であったが, 弾性線維は未熟な構造であった. 新生児の声帯は振動体として必要な粘膜の粘弾性が乏しく, 振動に適した構造ではないことが示唆された.

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